夜空の星々は、結び方ひとつで思いがけない姿を見せてくれます。場に合わせて軽やかに色を選びながら、大切な熱だけは手放さないカメレオン座さんの横顔をのぞいてみましょう。
『カメレオン座さんのそういうところ』
カメレオン座さんと出かけると、予定表は「守るもの」ではなく「ひとまずの案」なのだと気づかされます。楽しみにしていた店が休みでも、目当ての場所が混んでいても、立ち尽くして一日を残念色に染めることはありません。「じゃあ、この先を歩いてみようか」と、いつの間にか次の面白そうなものを見つけています。切り替えが早い。こちらが閉店の貼り紙を二度見している間に、もう別の入口を探しています。
この身軽さは、何でもいいという無頓着さとは少し違います。カメレオン座さんが手放すのは、最初に考えていた手順のほう。「一緒に楽しく過ごしたい」「ここまでたどり着きたい」という目的は、内側にしっかり残っています。守りたいものがはっきりしているから、そこへ向かう道をひとつに決めつけない。曲がっても、戻っても、ときには思い切って別の場所へ向かってもいい。その発想が、行き止まりだったはずの場面に新しい続きまで作ります。
普段のカメレオン座さんは、熱意を大きく掲げて歩くタイプには見えないかもしれません。ところが、心からやりたいことが定まると粘りが出ます。必要なことを調べ、試し、合わなければやり方を変え、また試す。失敗のたびに落ち込むより、「この方法ではないらしい」と材料にしてしまうのです。穏やかな顔で何度も挑み直しているので、周りはしばらく本気度に気づきません。静かな情熱は、発見が遅れるぶん少々びっくりします。
ただ、答えへ近づくほど足取りには勢いがつきます。本人には道筋がきれいに見えているため、「これでいける」と決めた瞬間、説明より先に出発しがちです。周りは反対しているのではなく、まだ地図を受け取っていないだけ。なのにカメレオン座さんから見ると、なぜみんな動かないのだろう、という顔になることがあります。出発前の点呼をひとつ、お願いしたいところです。
そこで相手の話を聞く時間をほんの少し取ると、その柔軟な発想はさらに生きてきます。自分では見えていなかった条件が加わり、選べる道が増えるからです。信念を弱める必要はありません。周囲と歩幅をそろえることは、情熱に水を差すことではなく、同じ目的地へ行ける仲間を増やすことなのでしょう。
状況に応じて色を選び直せるのに、大切なところでは意外なほど熱く、たまにその熱で一人だけ半歩先へ行ってしまう。けれど、少し振り返れば、今度はみんなが進める抜け道を見つけてくれる。変わることと貫くことを、どちらも自分の力にしている——カメレオン座さんのそういうところが、止まりかけた景色を鮮やかに動かすのです。

